令和5年度税制大綱(インボイス編)!?

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令和5年度税制大綱(インボイス編)!?

2023-08-29

令和5年度税制大綱が昨年12月16日(金)に発表されました。

昨年はインボイスが注目されていましたが、発表直前に法人税と所得税の増税の話が急遽出てきて目先を変えられました。まずは、それぞれの税の改正案を挙げていきます。

所得税
・NISAの抜本的拡充・恒久化
・スタートアップ再投資の非課税措置の創設
・超高所得者層への税負担の適正化

資産税
・生前贈与加算の加算期間の延長
・相続時精算課税の少額非課税措置等の導入
・教育資金一括贈与非課税制度等の延長
・長寿命化マンションの固定資産税特例の創設
・先端設備導入による固定資産税特例の創設

法人税
・中小企業の法人税の軽減税率の特例の延長
・中小企業経営強化税制・投資促進税制の見直し
・研究開発税制の見直し
・特定事業用資産の買換え特例の見直し
・学校法人設立準備法人への寄附の全額損金算入

消費税
・インボイス制度導入円滑化のための措置
(1) 小規模事業者の負担軽減措置(2割納税)
(2) 中小事業者等の事務負担軽減措置(少額特例) ほか

納税環境整備
・電子帳簿等保存制度の見直し
・源泉徴収票の提出方法・電子交付手続の見直し
・個人事業者等の各種届出書の簡素化
・高額な無申告等への無申告加算税の加重措置

インボイスの改正案は以下です。

(1) 小規模事業者の負担軽減措置(2割納税)

免税事業者が課税事業者を選択した場合の負担軽減を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する。激変緩和措置が3年間(令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間)設けられる。

(2) 中小事業者等の事務負担軽減措置(少額特例)

中小事業者等の事務負担の軽減の観点から、令和5年10月1日から6年間、税込み1万円未満の課税仕入れについて、帳簿のみで仕入税額控除が可能となる(インボイスの保存不要)。

(3) 少額な返還インボイスの交付義務の見直し

振込手数料相当のような少額の値引き等を行った際にも「返還インボイス」の交付義務があるが、事業者の実務に配慮し、令和5年10月1日以後の税込み1万円未満の値引き等は交付不要となる。

(4) インボイス発行事業者登録制度の見直し

①令和5年10月1日からインボイスを発行するためには、令和5年3月31日までに登録申請を行う必要があるが、申請期限後(令和5年4月1日以後)も「困難な事情」を書いて申請することで10月1日に登録したものとみなす救済措置が設けられている。
⇒運用上、「困難な事情」の記載を不要に

②免税事業者が「課税期間の初日」から登録を受けようとする場合、その課税期間の初日から起算して「15日前の日まで(現行:1か月前まで)」に申請書を提出

※実際に登録完了した日が、課税期間の初日「後」であっても、「課税期間の初日」に登録を受けたものとみなされる。

※登録を取消す場合の届出書の提出期限も同様に見直し

③経過措置により、令和5年10月1日以後に登録を受けようとする免税事業者は、登録申請書に「登録希望日(提出日から15日以後の日)」を記載

※実際に登録完了した日が、登録希望日「後」であっても、「登録希望日」に登録を受けたものとみなされる。

国はどうしてもインボイス発行事業者を増やすために、最後にいろいろな策を打ってきました。

果たして免税事業者は課税事業者を選択するのでしょうか?

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