高速道路料金のインボイスはどうなるの!?

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高速道路料金のインボイスはどうなるの!?

2023-08-23

消費税のインボイス制度では、3万円未満の少額取引についても原則、仕入税額控除を受けるためにはインボイスの交付を受け保存する必要があります。

特に、高速道路のETC料金のインボイスの交付・保存対応に関心が集まっています。

高速道路を利用する場合、ETCにより料金を支払うほか、料金所において現金やクレジットカードで支払う場合もあります。

令和5年10月開始のインボイス制度において、料金所では、宛名の記載を省略した適格簡易請求書が利用者に交付される予定といいます。

利用する事業者は、適格簡易請求書として交付される「領収書」、クレジットカードでは「利用証明書」を保存することで、仕入税額控除を受けられることになります。

例えば、首都高速道路(首都高速道路(株))から東日本高速道路(NEXCO東日本)へ管轄会社が異なる道路を跨いで利用する場合では、それぞれの高速道路料金に係る複数の「領収書」等を受け取り保存することになります。

なお、料金所には人が配置されている窓口と無人で精算機が設置されている料金所があるが、いずれを利用する場合も同様に、「領収書」等を受け取って保存をすることになります。

ETCで使用するカードには、以下のような複数の種類があります。

①ETCクレジットカード等

②ETCパーソナルカード

③ETCコーポレートカード

クレジットカード会社等が発行主体となる ①「ETCクレジットカード等」の利用に当たっては、 登録することで利用できるWEB上の「ETC利用照会サービス」(高速道路の会社6社が運営)において電子適格簡易請求書を交付する方針だといいます。

「ETC利用照会サービス」では、一定期間におけるETCの利用について、

(1)「利用証明書(PDF形式)」(一度に50件まで出力可能) 、

(2)「利用明細(PDF形式)」(一度に500件まで出力でき、1枚当たり15件の明細が記載される) 、

(3)「利用明細(CSV形式)」(一度に5,000件まで出力可能) の電子データを保存、出力することができます。

このうち、 (1)「利用証明書」が電子適格簡易請求書として交付される予定といいます。 一定期間ごとに、「ETC利用照会サービス」において「利用証明書」を保存することになります。

ETC料金につき、消費税の仕入税額控除を受けるという観点では、「利用証明書」を電子データで保存(電子帳簿保存法の電子取引の保存要件を充足)、又は出力して紙で保存することも可能です。

ただ、電子帳簿保存法においては、「利用証明書」は電子取引の取引情報として、保存要件を満たす形で電子データでの保存が必要となるようです。

なお、クレジットカード会社が交付する“WEB明細”については、適格請求書等とは認められません。

ETCパーソナルカード事務局が発行する ②「ETCパーソナルカード」、 NEXCO東日本、中日本、西日本3社が発行する ③「ETCコーポレートカード」については 現在、同事務局やNEXCO等の高速道路の会社から、そのカードの利用に係る請求書が利用者に送付されているようです。

インボイス制度開始後、この請求書は適格請求書として送付される予定だといいます。 利用者は適格請求書として送付されてきた請求書を保存しておけば、仕入税額控除が受けられることになります。

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